歯性上顎洞炎

歯性上顎洞炎とはどんな病気なのでしょう


歯性上顎洞炎とはどんな病気なのでしょう。

むし歯、歯槽膿漏(しそうのうろう)からの炎症が上顎洞に入り上顎洞炎を起こすことがあります。

これを歯性上顎洞炎といいます。

元来、上顎洞は歯と隣り合っているので、むし歯を治療せずに放置していると、時に歯性上顎洞炎になります。

歯性上顎洞炎が起こる原因は何なのでしょう。

むし歯、歯槽膿漏を長い間治療せずに放置していると、細菌が上顎洞に入り炎症を起こします。

黄色ブドウ球菌が最も多く、連鎖球菌や大腸菌などでも起こります。

歯では第一大臼歯(きゅうし)が最も原因になりやすく、次いで第二小臼歯、第二大臼歯の順です。

したがって、これらの歯がむし歯の時には要注意です。

歯性上顎洞炎の症状の現れ方は?急性に起こる場合と慢性に起こる場合があります。

急性の場合には、歯の痛みに続いて、突然悪臭の強い膿性の鼻汁(びじゅう)や頬部痛(きょうぶつう)が現れます。

慢性の場合には、歯の痛みは比較的少ないようです。通常片側に起こります。

歯性上顎洞炎の検査・診断・治療


歯性上顎洞炎の検査と診断についてですが、上歯、とくに第一大臼歯、第二小臼歯、第二大臼歯にむし歯があって、その歯を軽く叩くと痛みや違和感がある場合に疑われます。

また鼻のなかには膿性の鼻汁が認められます。

さらに単純X線像で上顎洞に陰影があれば、ほほ間違いないでしょう。

確定には、オルソパントモや口内法でX線検査を行う必要があります。

歯性上顎洞炎の治療の方法としては、上顎洞炎の治療とむし歯の治療をいっしょに行う必要があります。

上顎洞炎に対しては、鼻の入り口近くから針を刺して上顎洞を洗浄し、上顎洞のなかのうみを洗い流し、抗生剤の投与を行います。

同時に歯科で原因歯の治療を行います。

抜歯後などにむし歯の部位に穴があき、口のなかと上顎洞がつながってしまうことがあり、手術で閉鎖しなければならない場合があります。

これらの治療によっても改善しない場合は、内視鏡下に上顎洞と鼻腔をつないでいる穴(自然口)を大きく広げ、なかのうみを除く手術を行います。

病気に気づいたら、上の歯がむし歯で、むし歯のある側の鼻からうみが出てきたら歯性上顎洞炎の可能性が高い傾向にあります。

歯科医での歯の治療と、耳鼻咽喉科専門医での上顎洞炎の治療が必要です。

上の歯、とくに第一大臼歯、第二小臼歯、第二大臼歯にむし歯がある場合は要注意で、歯性上顎洞炎にならないようにむし歯を早く治療してください。

歯性上顎洞炎の経験者のお話し


私は手術は避けましたが、手術した場合の話を医師に聞いた事があります。

大きく分けて手術法は2種類になるようです。

1つは従来型と呼ばれ、上唇と上顎の接合面を切開し、頬骨を開窓し洗浄する方法で、昔から(俗に言う)蓄膿症の手術として、よく知られた方法ですね。

もう一つは内視鏡のような方法で、鼻腔内から穿針して排膿・洗浄し、穿孔部を広げ鼻腔との本来の交通路を確保し、排液や換気を保つ方法です。

いずれの場合も、症状の重い軽い等によっても左右されるようですが、短いもので数日、標準的には7〜14日間程度の入院の必要があるそうです。

これは片側施術の場合のようですから、左右行った場合は間が空くかもしれませんが、それ以上ということでしょうね。

手術費用に関しては、申し訳ありませんが把握していません。

また、手術をしたからといって、すぐに完全に治癒するものでもありません。

手術はあくまで病巣(汚い部分)を排除するだけに過ぎませんから、その後、少なからずとも保存治療を行う必要があるようです。
(抗生剤の服用等)

この期間まで含めると、治癒まではかなりの長期間を必要とします。

私の場合も、歯の根に違和感や痛みを覚えてから、5年近く放って置いた挙句の上顎洞炎でした。

歯科では歯根治療を行い、耳鼻科の医師からは保存治療を勧められ「クラビット」と「ムコダイン」を半年間服用しましたが、一向に改善しないため、個人の判断で抜歯を行いました。

その際、抜歯孔から大量の排膿が起こり、一気に改善方向に向かいました。
(これは、私個人の勝手な判断によるもので、決して医師の判断ではありませんので、誤解なきよう。)

その後は、耳鼻科医の勧めで「ルリッド」の少量服用を行ってきましたが、今でも完全には治癒していません。

今でも風邪をこじらせたりすると、鼻からの排膿が見られます。

とにかく、早い対処が一番のようなのですが、思い切って手術、その後根気強く治療することが大切のようです。

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